マレーシア政府は、2020年までにトラの個体数を現在の二倍の1000頭にするという国をあげての新しい計画を制定した。(BBCニュース)
ナショナル・タイガー・アクションプランでは、トラの保護基準の制定と、*分散して生息するトラの生息地をつなげる通路の設置を呼びかけている。
その通路が設置されれば、野生のトラ調査に役立つだけでなく、人とトラとの接触機会を減らすことができるだろう。
(* 分散して生息するトラの生息地をつなげる通路: もともと広大なトラの生息地であった森林が、森林伐採や、パームオイル畑への転換などにより細分化。細分化された生息地は狭くなっただけでなく、人が奥森に入ることもトラが人間の領域に入ることも容易になった。必然的に野生のトラと人は接触する機会が増え、トラが人間を襲う、人が防御のためにトラを殺傷するという事件が発生している。)
1970年代初頭からトラは保護下に置かれているにもかかわらず、マレーシアのトラの生息数はこの30年で3000頭から500頭へと激減した。その原因は過度の密漁や、森林伐採、また森林を切り開いてパームオイル畑へ転換したことにより、トラの生息地が減少したからである。
動物保護関係者はこれまで、マレーシアの不十分な野生動物保護法に対し、長期にわたって警鐘を鳴らし続けている。
翻訳 魚住 綾子 校正 若森 尚子
トラの現状についてより詳しい情報を知ることのできるリンク