環境にやさしいパームオイルの*RSPO認証制度に対し、消費者の無関心が産業の環境保護活動向上に悪影響をもたらしているとパームオイル産業役員がロイターに伝えた。
ロイター記者とのインタビューの際、マレーシアパームオイルカウンシルの幹部Yusof Basironはこう告げた。
「買い取り業者は、8%のパームオイルエコ認証への割増金支払いにほとんど興味を示さない。」
「希望であった環境に配慮したパームオイルの販売であったが、今私たちの前には失敗という道が敷かれている。現在、買取業者にはその認証パームオイルに熱烈な感心はない。」とBasiron氏はロイター記者に伝えた。
市場の反応はとてもはっきりとしている。私たちはエコ認証を供給することができるが、もし、買い取り業者が感心を示さなければ、パームオイルを供給する私たちは方針を変えなければならないだろう。結局のところ、これはビジネスだからだ。」
RSPO認証の費用は加工されていないパームオイル1トンにつき$50、現在卸売りでは1トンにつき約$600になる。認証費用には農業地利用の制限、生産方法の制限、従来のパームオイルから選別された環境にやさしいパームオイルの付加貯蔵タンクかという検査、そして第三者機関からの検査費用が含まれる。 |
5月、持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)の報告では、2008年11月にRSPO認証制度が開始されてから認定パームオイルの購入率は3%に満たないと言う。
「スーパーマーケット、食品生産業,化粧品生産業などのパームオイル買い手業者からのこの需要低迷は、東南アジアの残された熱帯雨林を脅かし、持続可能活動をも蝕む恐れがある。それだけでなく、アマゾンなどへのパームオイル産業の拡張もありうる。」と、David McLaughlin(WWF農業部門副顧問-WWF農業部門はRSPOの一部でもある)は言う。
WWFは、環境にやさしいパームオイル支援を無視した大手企業の名前を列記した”Name-to-Shame(名前という不名誉)”レポート発表を計画している。
パームオイル生産業は過去20年以上にわたって東南アジア全域に大規模な熱帯雨林の破壊をもたらした。そして何十億トンもの二酸化炭素排出の引き金となり、スマトラトラ、スマトラオランウータンなどを含めた希少種を危険にさらしていると環境団体や科学者は言う。パームオイル産業は高い生産量を維持し、大豆やキャノーラなどの他のオイルシードより低コストで農地も狭くて済む。そしてなにより何百万もの人々の生活水準向上をもたらした。
*RSPO認証制度・・・環境や生物多様性を守るパーム油生産の基準を農園が満たしていれば、そのことを証明する認定を発行する制度。現在、レベルの異なる4種の認証方式が導入されている。