ケニアの政府機関であるケニア野生生物公社(KWS)は、同国のライオンが20年以内に絶滅する可能性を示唆。今現在ケニアに生息するライオンは約2000頭と推測されているが、毎年平均約100頭ずつ減少傾向にあるという。
ケニアで起こっているライオンの大幅な生息数減少は、人間の人口増加と野生動物との衝突が結果としてもたらしていると言えるだろう。
野生生物学者であるローレンス・フランク氏は次のように説明する。
「20年前、野生動物たちの前には広大な大地が広がっていた。しかし、今は違う。肉食獣たちは毒殺され、槍で突き刺され、草食動物たちは人間の食料のため罠をかけられる。そしてケニアの広大な大地で家畜たちが過度に放牧されている。」
地元の人々は家畜を肉食獣から守るために、毒づけにした牛の死体を放置。それを食べたライオンだけでなく、ハイエナ、ハゲタカなどの清掃動物達にも影響を与えていると他の専門家たちは報告している。
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安定した生息数が確保でき、遺伝的多様性を維持するためには、すくなくとも50~100のライオンの群れが必要である。
このところケニアではひどい干ばつが続き、家畜主らは家畜に必要な水やその他資源を探さなくてはならなくなった。その結果、家畜主たちは家畜を連れ野生動物たちの生息地へと移動、野生動物たちと衝突し、野生動物たちは排除される傾向にある。
「政策変更、効果的な法律の実施や地元の人々へ巨額の投資など、思い切った行動にでなければアフリカの野生生物喪失を防ぐことはできないだろう。」フランク氏は言う。
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