イギリスで撮影されたユーラシアカワウソ。ニホンカワウソはユーラシアカワウソの一亜種。
写真撮影:Catherine Trigg
環境省は8月28日、ニホンカワウソ(Lutra lutra whiteleyi)を絶滅種に指定したことを明らかにした。1979年に四国・須崎市で目撃されたのを最後に、この珍しい生きものは絶滅してしまった。その背景には、乱獲や土地開発による生息地の消失がある。
ニホンカワウソの絶滅は、日本の固有種がまた一つ失われたことを意味する。日本では、2種類のオオカミ、2種類のコウモリおよび1種類のアシカが既に絶滅している。日本固有種のニホンオオカミ(Canis lupus hodophilax)、エゾオオカミ(Canis lupus hattai)、オガサワラアブラコウモリ(Pipistrellus sturdeei)、オキナワオオコウモリ(Pteropus loochoensis)およびニホンアシカ(Zalophus californianus japonicus)だ。
20世紀まで、ニホンカワウソは日本各地の河川で魚やエビを常食とし普通に生息していた。1990年代には生息調査が幾度か行われた。「1999年に糞が発見されたことから、ニホンカワウソはまだ生きていると考えています」高知大学名誉教授の町田吉彦氏はジャパン・デイリー・プレスへこう述べている。