写真:マット・ ローパー
アマゾンのダム建設工事に携わるエンジニアが発見したこの生物は、手足のない両生類、アシナシイモリの一種である。ミミズのようであり、男性の体の一部に似ていると思う人もいるだろう。
この生物は、物議を醸している水力発電プロジェクトのためにマデイラ川の一部を放水した際に発見された。この川はアマゾン川最大の支流である。生物学者ジュリアン・トゥーパンによれば6個体が見つかった。ジュリアンはこの動物がアトレトコアナ・エイセルティ Atretochoana eiselti と特定した人物である。この種については、水性で肺を持たないかわりに皮膚で呼吸すると考えられている以外はほとんど知られていない。他の複数の個体が、そこから2,500キロ以上離れたアマゾン川河口で発見されている。アシナシイモリは典型的な捕食動物で、小魚や虫、他の無脊椎動物を餌とする。また、視力が弱く主に嗅覚で移動する。
アトレトコアナ・エイセルティAtretochoana eiselti は既知のアシナシイモリの中で最も大きく、長さ75cmすなわち次に大きな既知種の2倍以上の長さに成長する。
The 写真;マット・ ローパー
アトレトコアナ・エイセルティ Atretochoana eiseltiの全個体数は不明だが、ごく最近発見されたこの地域はロンドニア州ポルト・ヴェーリョ市近くのサン・アントニオダムの影響をまもなく受けることになる。環境保護主義者たちは、このダム建設プロジェクトにより熱帯雨林が氾濫すると指摘してプロジェクトを非難し、国立公園の一部の法的保護の解除を要求している。ブラジルは現在、アマゾンに 2020年までに30基のダム を完成させる ダム建設の浮かれ騒ぎ の真っ只中にある。生態学者たちは、ダム建設がアマゾン流域の 回遊と栄養素の流れに影響を及ぼす と警告している。
プロフィール: “ペニス スネーク” (2013年11月7日更新)
種: アトレトコアナ・エイセルティAtretochoana eiselti は手足を持たない両生類、アシナシイモリの一種である。 生息地と範囲: “ペニス スネーク”は、ブラジルのアマゾン川河口とマデイラ川(アマゾン川最大の支流である)で サイズ: 長さ81cmの個体が記録されている。 食性: 他のアシナシイモリと同様、“ペニス スネーク”は、小魚や虫、他の水生無脊椎動物を餌とするようだか、さらなる調査が必要である。 第一発見: アトレトコアナ・エイセルティ Atretochoana eiselti については1968年に発行された「The Caecilians of the World」に掲載された論文で最初に記述され、1998年には“再発見”が発表された。. 近縁種: アトレトコアナ・エイセルティAtretochoana eiselti は、アトレトコアナAtretochoana種の唯一の種であるが、他のアシナシイモリ科の Caecilita iwokramae も肺がないことで知られている。世界中で200種近いアシナシイモリが生息している。その中には2013年に フランス領ギアナで発見された外面的には似たもの も含まれる。 名前の由来: Mongabay.com は、上記の通り2012年8月1日に“ペニス スネーク”という用語を作った。それ以来、他のメディアも“マナコンダ”、“フロッピー スネーク(だらんとしたヘビの意)“などの独創的な名前を提案している。 |
引用::
- Wilkinson, M., Sebben, A., Schwartz, E.N.F., and Schwartz, C.A. (1998). ”The largest lungless tetrapod: report on a second specimen of Atretochoana eiselti (Amphibia: Gymnophiona: Typhlonectidae) from Brazil.” Journal of Natural History, 32, 617-627
- Hoogmoed, M.S., Maciel, A.O., and Coragem, J.T. (2011). ”Discovery of the largest lungless tetrapod, Atretochoana eiselti (Taylor, 1968) (Amphibia: Gymnophiona: Typhlonectidae), in its natural habitat in Brazilian Amazonia.” Boletim do Museu Paraense Emílio Goeldi. Ciências Naturais, 6(3), 241-262.
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