- 林冠の直径40.3メートル (約132フィート) 、高さ94.1メートル (約309フィート) の最長樹木は、比較的手が加えられていないサバ州のダナム谷で発見された。
- Asner氏は月曜日にヘリコプターでこの遠隔地を飛行中、直にその木を観測することができた。「実質20年この研究を行ってきたが、今回の発見は私の研究人生の中で最も感動的な経験の一つとなった」と、Asner氏はMongabayに話した。
- 最長樹木はサラノキ属の分類ではあるが、正確な種はまだ特定されていない。Asner氏と同僚はまた、サバ州全域で高さ90メートル以上の木を49本発見し、今後数週間にわたりそれらの木を一本づつ訪れる予定である。
数カ月前、世界一高い熱帯樹木の新記録が更新したと発表 された。その木は高さ89.5メートル (約294フィート) のイエローメランチ (学名Shorea faguetiana) で、ボルネオ島マレーシア領の二州の内の一つであるサバ州で発見された。
しかしその記録は長く保たれなかった。スタンフォード大学・カーネギー研究所のGregory Asner氏は今日、ハート・オブ・ボルネオ国際会議の場で、50本にもおよぶ樹高の高い熱帯樹木を発見したと発表した。
林冠の直径40.3メートル (約132フィート) 、高さ94.1メートル (約309フィート) の最長樹木は、比較的手が加えられていないサバ州のダヌムバレーで発見された。Asner氏は月曜日にヘリコプターでこの遠隔地を飛行中、直にその木を観測することができた。「実質20年この研究を行ってきたが、今回の発見は私の研究人生の中で最も感動的な経験の一つとなった」と、Asner氏はMongabayに話した。
最長樹木は「サラノキ属」の分類ではあるが、正確な種はまだ特定されていない。Asner氏と同僚はまた、サバ州全域で高さ90メートル以上の木を49本発見し、今後数週間にわたりそれらの木を一本つづ訪れる予定である。

Asner氏は「この最長熱帯樹木とそれに続く49本の木々は、自然の力による本当の自然現象」と述べた。「保全にはインスピレーションが必要で、ボルネオのジャングルを守るこれらの木々がそれを私たちに与えている。今回の発見は科学、ボルネオ島サバ州の人々、そして世界にとっての贈り物である。」
ヘリコプター飛行は、映画「アバター」の監督であるJames Cameron氏と国連開発計画 (UNDP) の資金提供によるものであった。Asner氏は当時の飛行経路と自身の目で初めて世界一高い熱帯樹木を目撃した時のことをこう説明した:
私たちはヘリコプター「ベルジェットレンジャー」でコタキナバルから飛行しました。通常通りに何マイルにもおよぶ開発区とアブラヤシ農園を横切り、サバ州中部の丘陵地帯へと抜け出しました。そこから一直線にレーザースキャナーデータが示す木の方角を目指しました。対気速度110ノットで90分後にダヌムバレーの外れにある何本もの山稜へとたどり着き、目標とする木から約1分という位置にいました。そこにどの林冠よりも高く突き出ている木があったんです。おかしなことに発見した最長樹木のすぐ両側には、同じ種のサラノキ属の木が並んでいる上にほぼ同じ高さ!まさにどの林冠よりも高い3本の木が兄弟のように立っていました。私は泣きそうになりながらその木の上空を10周くらい旋回していました。そしてパイロットが言ったんです、もう戻らなければと。
その木が最初に発見されたのは、Asner氏が森林の画像化と動物の生息地、炭素ストック、林冠の生物多様性を地図化するために、サバ州上空を カーネギー・エアボーン・オブザーバトリー CAO) で飛行している時でした。Asner氏によると、CAOのセンサーは樹木の標高、構造、科学的性質、種類を精密に測定するようデザインされているという。
「この技術は飛行中に機体下部から1秒間に50万発のレーザー発射を放つことによって、森林の林冠から地上までの高精細な3D画像を作り出す」と、Asner氏は説明した。「その後デジタル処理をし、(今回発見した) 最長樹木の3Dデータをくまなく探す。同様のデータは熱帯林全域に蓄積されている炭素量を計算する際にも使用している。」

CAOによる研究をAsner氏と共に行い、今回の発見を導いたサバ州林業局の局長であるSam Mannan氏は、今回の発見によってボルネオの熱帯雨林を保護する必要性について強調できるんじゃないかと期待していたと述べた。「カーネギー研究所がサバ州の森林内で世界一高い熱帯樹木を発見したことは、この特別な地域における保全管理を継続し、発展させることの重要性を強調する」と、Mannan氏は述べた。「CAOによるマッピングの力を借りて、最長樹木だけでなく、増加する保安林も保護できることを誇りに思う。」
CAOを使った研究によって熱帯最長樹木の発見を導いたもう一方のパートナー、東南アジア熱帯雨林研究プログラム (SEARRP) のディレクターであるGlen Reynolds博士は、ダヌムバレーでこのようなとてつもなく高い木の密集が発見されたことは、手付かずの平地林が残る最後の地域 (ダナムはその模範) を維持することの重要性を強調していると付け加えた。「これほどの樹齢を重ねた巨木は、原生林以外の地に存在しない。現在これらの希少な巨木を支えている森林を保護することは極めて重要」と彼は述べた。
94.1メートルが実際どれほどの高さなのかを想像することは難しいけれども、Asner氏はその高さに十分匹敵するものを思い付いた。「この木の高さと相似するものを探していて、マッコウクジラ (最も大きいハクジラ) の全長が16メートルであることを見つけた」と彼は述べた。「なので最長樹木はマッコウクジラの6倍ということ!」

