- 国連環境計画 (UNEP) は先月、2022年までに2つの主な海洋ごみ (化粧品によく使用されるマイクロプラスチックとレジ袋などの使い捨てプラスチック製品)をなくそうと世界的なキャンペーンを開始した。
- UNEPによれば、キャンペーンの開始時にはすでに10カ国が参加していたという。例えば、インドネシアは2025年までに海洋ごみを70%削減させることを約束し、ウルグアイは使い捨てポリ袋への課税を今年後半に実施する予定であると発表した。
- 推定では600種以上もの海洋生物が海洋ごみの影響を受けており、それらの生物の15%が海洋ごみを摂食、またはごみに絡まるなどして傷つけられ、すでに絶滅の危機にさらされている。
国連環境計画 (UNEP) は先月、2022年までに2つの主な海洋ごみ (化粧品などによく使用されるマイクロプラスチックとレジ袋などの使い捨てプラスチック製品) をなくそうと世界的なキャンペーンを開始した。
エレン・マッカーサー財団が昨年発表した 報告書 によると、年間800万トン以上ものプラスチックが海へ流れ込んでいて、それは1分ごとにごみ収集車1台分のプラスチックを海へ投棄するのとほぼ同じことだという。今まで通りのことを続けていたら、2030年には海に流れ込むプラスチックの量は1分あたりごみ収集車2台分、2050年には1分あたり4台分へと跳ね上がることに報告書は気づいた。その頃にはすべての魚を合わせても海に浮かぶプラスチックの方が多くなり、99%の海鳥は海上で揺れ動くプラスチックのごみを摂食することになる。
UNEPはトレンドとなっているプラスチックをなくそうと「クリーン・シー・キャンペーン」を開始した。キャンペーンは各政府に対して、企業へプラスチック容器の使用を最小限に抑えるよう促したり、海にプラスチックを大量投棄させる原因となっている消費者の習慣を変えるよう働きかけるなど、プラスチック製品の消費を減らすための対策を取ることを勧めている。
問題なのは海鳥の健康だけではない。UNEP によれば、600種以上にわたる海の野生生物 が海洋ごみの影響を受けているという。海洋ごみの摂食、またはごみに絡まるなどして傷つけられている生物の約15%はすでに絶滅の危機にさらされている。
#DYK marine litter harms over 600 marine species? It's time to commit to action for #CleanSeas & protect them: https://t.co/hrtZ7oWWU3 pic.twitter.com/o5dtJCaU4i
— UN Environment Programme (@UNEP) February 24, 2017
キャンペーンの開始時にはすでに10カ国が参加していたとUNEPは述べた。例えば、インドネシアは2025年までに海洋ごみを70%削減することを約束し、ウルグアイは使い捨てポリ袋への課税を今年後半に実施する予定であると発表した。一方コスタリカは、廃棄物の管理と教育を改善することで使い捨てプラスチックの削減を計画していると述べた。
「海洋環境を危険にさらして破壊している原因が、使い捨てプラスチックおよび回収不可能なマイクロプラスチックにあるとコスタリカは認識している」と、コスタリカ環境エネルギー省の大臣であるEdgar Gutiérrez-Espeleta氏は声明で述べた。「私たちは国内外の取り組みであるこのキャンペーンに協力してくれる市民社会、民間企業、全国民を含めたすべての人々を強く支持する。ダイナミックな国際協力によって、私たち全員が確実にキャンペーンを実現させれば、効果的に海洋ごみをなくすことができる。」
ベルギー、フランス、グレナダ、ノルウェー、パナマ、セントルシア、シエラレオネなどの国々もすでに同キャンペーンに参加している。
一部の民間企業もまた、各々のサプライチェーンを通してこの問題に取り組む意向を示した。中でも最も卓越した例はデルコンピュータで、ハイチ近海で回収したプラスチックを製品の包装に使用するという大規模な企画を考案した。「デルはテクノロジーと専門技術を用いて、プラスチックのない海に取り組んでいる」と、デルのグローバル・オペレーション部門責任者であるPiyush Bhargava氏は声明で述べた。「新たなサプライチェーンが、再生された海洋プラスチックを商業的に再利用できると証明することで、私たちは国連環境企画の考える「クリーン・シー」へ一歩近づいた。」
Tiny particles of plastic are washed down the drain when we wash clothing made from synthetic materials: https://t.co/OI0F2tdaUL #CleanSeas pic.twitter.com/IQuEmPwdkK
— UN Environment Programme (@UNEP) March 29, 2017
シンガーソングライターのJack Johnson氏は、「クリーン・シー・キャンペーン」を支持している著名人の一人である。Johnson氏は2017年の夏に行われる自身のコンサート会場において、使い捨てプラスチックの使用を減らすことに努めると述べ、また新たなドキュメンタリー映画「スモッグ・オブ・ザ・シー (海洋汚染) 」の宣伝もしている。このドキュメンタリーは、現在海を汚染している50兆以上ものプラスチック粒子が及ぼす影響について観察している。
UNEPはこれからも国や企業によって行なわれる新たな取り組みに注目し、キャンペーンが進むにつれてプラスチックの汚染物質が海に流れ込む率を明らかにしていく方針である。キャンペーンの開始以降、ケニア と チュニジア 政府が使い捨てポリ袋の禁止を発表し、ニュージーランドの環境省 は化粧品およびパーソナルケア製品全般におけるマイクロプラスチックビーズの使用禁止を発表するなど、すでに数多くの大胆な方策が講じられている。
「海を破壊しているプラスチック問題に取り組むべき時がきた」と、UNEPの事務局長であるErik Solheim氏は声明で述べた。「プラスチックの汚染物質はインドネシアのビーチのあちこちで浮遊、北極の海底に蓄積、また私たちの食卓の食物連鎖にまで影響を及ぼしている。長い間ボーっとしている間に悪化してしまった問題を止めなければならない。」
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